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連載 第3回(2001.11月)
  ■Vol.1:インターネットしてますか?
■Vol.2:顔の見える会社、できてますか?
■Vol.3:ワン・フェイス・トゥ・ザ・カスタマー!
■最終回: デジタル・リテラシーを身につけよう!
 
 
     
   ■ お客様の声に耳を傾け、姿を知る  
     
 

 いまITとビジネスを語るときに旬の言葉となっている“CRM”をご存知でしょうか。CはCustomer:顧客、RはRelationship:関係、MはManagement:管理です。前回のIT戦略講座でお話した「顔の見える会社」の実現にもつながるIT活用のひとつです。

 「顧客管理」や「顧客関係性マネジメント」などと訳され、これを実現するITツールがCRMソリューションです。これからの時代の企業経営の要として注目を集め、その導入が盛んに進められています。
 このCRMの実際は、まずお客様との取り引きの記録をきちんと系統立てて整理・保存することから始まります。あるお客様が、いつ、どんな商品をどこの店で購入したか。前回のご購入からどれくらいの期間が経っているか。さらに、どんな商品との組み合わせで購入されたか。あるいは、単品での購入なのか…。支払方法は、現金払いなのか、カード払いなのか、信用取引による月末一括払いなのか…。それらの詳細データをコンピュータのデータベース上で一元的に管理することで、お客様の購買傾向や嗜好をトータルに捉えようとするものです。

 さらに次の段階では、そうした個別のデータに基づいて、お客様ごとに最適な営業・セールスプロモーション計画を立てていきます。全社員が、そのお客様のデータをコンピュータ・ネットワークを通じて共有でき、どの社員も担当社員とまったく同じレベルの“高度な顧客知識”で、お客様をお迎えできるようになるわけです。
 これが“ワン・フェイス・トゥ・ザ・カスタマー”という考え方で、「社員の顔の見える会社」の“顔”を1つに、つまりそのサービス品質を均一に、しかも高いレベルに維持していこうというものです。

 
     
   ■ 情報共有・情報活用で会社を1つに!  
     
 

 この“ワン・フェイス・トゥ・ザ・カスタマー”を実現するには、お客様情報だけでは不十分です。お客様のご要望に対して、社員がどのような対応をとったか。商品に対する注文や質問に、社員がどのような行動を起こし、自身で勉強し、お応えしたか。何かのトラブルに対して、商品開発や製造部門、経営陣とどのように協議し、問題解決にあたったか…。
 そうした顧客対応の手順や知識、過去の経験を、社員の誰もが共通に閲覧・利用できる情報環境が整っていなければなりません。社員一人ひとりが蓄積してきた営業ノウハウや顧客対応のマニュアルなども、即座に利用できる環境が必要です。

 これをITツールで実現しようとするのが、“KM”と略されるKnowledge Management:ナレッジ・マネジメント。実はこのKMこそ、小中規模事業者にとっての大命題なのです。人材育成は企業にとって最重要課題のひとつ。新入社員にベテラン社員の経験とノウハウを伝授するには、膨大な時間と労力を費やさなくてはなりません。決して多くはない社員数で、日々のビジネスを動かしながらの人材教育には限界があるのも確かです。そうした限界を打ち破るITツールがKMなのです。

 このKMとCRMをセットとして捉え、携帯型情報端末などを組み合わせたITソリューションが、いま大いに脚光を浴びています。莫大なIT投資を必要とするきわめて大がかりなシステムで、もちろんそう簡単に導入できるシロモノではありません。ニャンとも高い買い物ですから…(笑)。

 でも、「考え方」の導入なら、いますぐにでも可能です。たとえば、売上伝票や注文書などをそれぞれバラバラに保管するのではなく、顧客名簿上に集約して保存・管理・利用することで、「簡易CRM」を実現できます。トラブル対応の経緯を文書化して残し、営業日報などをお客様の業種・業態別に整理・保存することで、「簡易KM」が実現可能です。さらに、たとえ1台でもパソコンがあれば、それらの情報を簡易データベース・ソフトに登録することで、キーワードによる検索や時系列での整理・閲覧が即座にできるようになるのです。

 情報の整理・共有と積極的な活用で、会社を1つに! 社員の気持ちと、やる気を1つに! “ワン・フェイス・トゥ・ザ・カスタマー”を実現。最先端ITツールのエッセンスは、どんな小さな会社にも導入でき、大いなる戦力強化をもたらします。 (続く)

 
     
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